このシリーズでは、フォーミュラハウス(FORMULA HOUSE)の誕生秘話や変遷、こだわり等をご紹介しています。
第7回は、地震について語ります。
地震について
災害は忘れたころにやって来る。
そんな事を思えば、この岡山も1946年紀伊半島を震源地に最大震度8を記録した南海地震が思い起こされます。
その時、県内でも多くの被害に見舞われ建物の倒壊も1200戸に上ったそうです。その南海地震が50年の内に90%の確立で襲ってくるというのです。
地震の揺れには地盤と建物の関係がとても大きく関わっているようです。
その辺りの事を解りやすく簡単に記してみます。
地盤にも建物にも固有の揺れ周期があります。また、固有の硬さがあります。
硬い地盤や建物は、ビビビと短い振動周期で揺れ、柔らかい地盤や建物は、ユッサ、ユッサと長い振動周期で揺れます。
たとえば柔らかい地盤の上に柔らかい建物を建てた場合、お互いが長い周期どうしで共振し、より大きく揺れだします。
又逆に、硬い地盤の上に硬い建物を建てた場合もその地震から受ける被害は大きくなると考えられます。
ならばユッサユッサ揺れる土地には、ビビビと揺れる建物を建て、ビビビと揺れる土地にはユッサユッサと揺れる建物を建てれば被害は、少なくなるという事でしょうが、なかなかそういうわけにはいきません。
木造や鉄骨の建物は、ユッサユッサと揺れますが、鉄筋の建物はビビビと揺れます。
さて私どもが住んでいる岡山の地盤は柔らかく、ユッサユッサと揺れる所が多いでしょう。
じゃ鉄筋の建物ばかりを建てようというわけにもゆきません。
神戸震災以後、ユッサユッサと揺れる木造の建物をビビビと揺れる構造の建物に変えようと耐震設計が大きく変わりました。
多くの金物を使ってがんじがらめにするのです。
そうする事によってビビビと揺れる建物に変身するのです。
でも問題があります。たとえば地震の揺れる時間が長かったり、余震が何回もきた場合、硬く変身した建物も、ボルトが緩み、木穴が大きくなり又、ユッサユッサと揺れる建物に逆戻り、そのうち地盤の周期と重なり大きく揺れだすのです。でも大きく揺れるだけでは、建物は倒壊しません。
揺れによって梁と柱をつないだボルトが外れたり、ビスが緩んだり、建物のバランスが悪く床などの水平剛性が弱い場合ねじれたりして倒壊するのです。鉄骨の建物が耐震性があるというのは、柱や梁のジョイントが溶接だったりハイテンションボルトだったり絶対に外れない、緩まない構造になっているからです。又フォ-ミュラハウスの場合2階3階の床もコンクリ-トを打ち水平剛性の強い構造体を造ってるからです。
又鉄は全ての部材が強度計算された均一な材料だからという事も言えます。
この続きはまた次回お届けします。
ぜひご覧ください。